お悩みの部位と症状
日常生活・スポーツ中の痛み
慢性的な痛み
日常生活・スポーツ中の痛み
むち打ち症とは?
体の後ろから不意にぶつけられた時や自動車の運転中に衝突された時に、首の屈伸運動や側屈運動を強制されて起こります。
症状
受傷後、数日から数週間は首の動作時に痛みが強く、首周囲の筋肉の緊張が強まり可動範囲が狭まります。症状が強い場合は下のレントゲン写真のように、頸椎の前湾(前側にカーブ)が失われて一本の柱の如くまっすぐになる事もあります。その後、徐々に可動範囲が広がって痛みも緩和していきます。但し、回復には患部の損傷程度、個人の生活、仕事の内容によって大きく変化します。
どんなタイプに多い?
普段から頸椎ヘルニアや神経などの疾患、首の痛み、肩こりなどの症状のある方は症状がひどくなる恐れがあります。また、衝撃が来ることが分かり身構えることができた時と不意に衝撃を受けた時では、患部の損傷も症状も不意の時の方がひどくなることが予測されます。
治療
痛みや不定愁訴(頭痛、めまいなど)が強いときは貼り薬やアイシングで安静を保ちます。
症状が緩和してきたら患部を温め、マッサージなどで少しずつ筋の緊張をほぐしていきます。
交通事故による
むち打ちレントゲン写真
野球(テニス、ゴルフ、バレーボール)肩とは?
球を投げたり打ったりを繰り返すことにより、肩関節の軟骨、筋、腱、靭帯が傷つき痛みます。下のエコー画像は、ゴルフのやり過ぎで上腕二頭筋腱が腫れて炎症を起こしています。画面右矢印より左の方が太くなっていることが確認できます。この様な症状になると、肘の屈伸や肩の上下運動が困難になります。
症状
肩の軟部組織が傷つくとキャッチボール、サーブやアタックなどの動作時に痛みが出て、投球や強くボールを打つことが出来なくなります。
どんなタイプに多い?
体の成長過程にある小学生から高校生までに多くみられます。成人でも無理が続くと痛みが出ます。
治療
超音波観察装置で患部の状態を検査します。筋や腱などに断裂、損傷、腫れがある場合は、投球動作などを中止します。損傷部が治癒するまでは関節や筋腱の柔軟性を高め、練習にスムーズに復帰できるよう理学療法を継続します。
左上腕二頭筋長頭腱炎のエコー画像
野球肘(内側型、外側型)とは?
投球を繰り返すことにより、肘関節の軟骨、靭帯が傷つき痛みます。
症状
肘の骨の裂離(剥離)や軟骨、靭帯損傷(断裂)を起こすと痛みが出現し投球が困難となります。下の中学生野球肘エコー画像は、右肘内側の軟骨が矢印方向に裂離している様子が確認できます。
どんなタイプに多い?
体の成長過程にある小学生から中校生までに多くみられます。速球派のピッチャー、遠投をするキャッチャーや外野手は要注意です。
治療
超音波観察装置で患部の状態を検査します。骨の裂離や軟骨損傷、靭帯に断裂、損傷、炎症や腫れがある場合は投球動作を中止します。早期の診断と加療が必要なことが多く、放置すると手術しなければ治癒に至らないこともあります。
右肘内側エコー画像(患側)
左肘(正常側)
手首の捻挫とは?
転んで地面に手を突いた時や立ち上がる際に手をついて体重がかかった時に関節の軟骨、靭帯、腱などを痛めます。下は転倒して手をついて負傷した患者様の手関節捻挫エコー画像です。赤丸で囲われた箇所は前腕伸筋腱で、赤線内にある黒い個所は微細出血や炎症による浮腫です。その右の長軸画像では、伸筋腱が右矢印と比較して左の方が腫れています。
症状
手首を上下に曲げる、回す、手をついて加重する、握る、重いものを持つなどした時に痛みがあります。痛めた後は、腫れ、熱感、手首を動かせないなどの症状が出現します。
どんなタイプに多い?
子供から高齢者など幅広い年代にみられます。
治療
受傷後3~4日は患部を冷やし、安静を保ちます。同時に症状に応じて理学療法を開始します。
左手関節捻挫エコー短軸画像
左手関節捻挫長軸画像
ぎっくり腰(急性腰痛症)とは?
中腰になった時や立ち上がる瞬間に腰周辺にギクッなどの衝撃と痛みが走り動けなくなります。
症状
腰椎の関節、軟骨、筋や筋膜を損傷します。腰の前屈や後屈、捻ることが困難となり、周囲の物につかまりやっと立ったり歩いたりできます。
どんなタイプに多い?
腰周囲の筋肉や関節が固い人ほど受傷しやすくなります。
治療
痛みがひどい間は患部を冷やし、横になったり座ったりして安静を保ちます。日常生活動作(着替えやトイレに行くなど)が、行えるようになってきたら損傷組織の修復を促進させる理学療法を始めます。
膝の打撲・捻挫・骨折とは?
転倒した時に地面に打ちつける、関節を外側内側に強く捻るなどして痛めます。
症状
関節に血や水(関節液)が溜まると左右を比較して見た目にも腫れが分かり、関節を触ると熱っぽく感じます。側副靭帯や半月板を痛めると、屈伸や膝を回す時に痛みが出現します。下は自転車で転倒して膝を地面に打ちつけ負傷したエコー画像です。初めは近隣のクリニックでレントゲン写真を撮ってもらいましたが打撲と診断されました。痛みがひどく、超音波観察装置で患部の状態を検査したところ、膝蓋骨に骨折(矢印)と膝上部に血腫(赤囲み)と水腫(水が溜まる)が認められました。
どんなタイプに多い?
子供から高齢者まで幅広い年代にみられます。
治療
骨折なのか打撲なのか、けがの状態を明確にしてその症状に応じた治療を行います。当院ではけがの状態に応じて、近隣の医療機関と連携して治療を行っています。
左膝蓋骨骨折のエコー短軸画像
左膝上部の血腫エコー長軸画像
オスグッドシュラッター病とは?
大腿部前面の筋肉に強い牽引力が繰り返しかかることやジャンプ、ダッシュなどの急激な外力で膝下の軟骨部が裂離(剥離)します。下は中学生のエコー画像です。右膝下の正常側に比べて左膝下は赤矢印方向に軟骨が裂離し、腫れているのが分かります(青矢印)。
症状
症状がひどくなると膝下の骨が盛り上がってきます。その部分を押すと痛みと熱感があります。階段昇降やランニングが痛くて困難になります。また、膝を深く曲げることも困難となります。
どんなタイプに多い?
小学生高学年から高校生にみられます。この年代に多くみられるのは、体の成長過程で完全に骨の成長が終了していないため、軟骨部が強い筋力で裂離してしまうのです。
治療
痛みが出現してしまう運動メニューは中止します。学生にとって運動を中止することは非常に辛いことですが、無理をして頑張っても治癒するまでにかえって時間がかかることになります。患部は腫れや熱感などの炎症症状が強く出ることが多く、アイシングや安静保持に努めます。同時に膝周囲の筋の緊張を和らげるような施術と裂離した軟骨の骨癒合が促進する理学療法を行っていきます。
右膝下エコー画像(正常側)
左膝下エコー画像(オスグット側)
シーバー病とは?
かかとの後方が歩行やランニング時に痛くなります。発生原因の多くはサッカーやバスケットボール、剣道などダッシュやジャンプなどを繰り返す競技をしている小中学生に多くみられます。成長期のかかとの後方は成長軟骨になっていてアキレス腱や足底の腱が付着しており、運動などの負担で成長軟骨が損傷され痛みます。
症状
踵の後方や側方を押すと痛みます。階段昇降やランニング、ダッシュが痛みで困難となります。
どんなタイプに多い?
小学生から中学生にみられます。この年代はクラブチームや部活などでスポーツを本格的に始めますが、練習や試合で筋肉や関節が硬くなってきます。その状態でスポーツを行っていると成長軟骨などの組織が損傷して痛みが発生します。下のエコー画像はかかとの後方ですが、丸で囲んだ軟骨が正常な左画像と比較して細分化されています。
右かかと後方(正常側) 左かかと後方(シーバー病)
治療
痛みが出現してしまう運動メニューは中止します。学生にとって運動を中止することは非常に辛いことですが、無理をして頑張っても治癒するまでにかえって時間がかかることになります。患部は腫れや熱感などの炎症症状が強く出ることが多く、アイシングや安静保持に努めます。同時にふくらはぎや足裏の筋の緊張を和らげるような施術と裂離した軟骨の骨癒合が促進する理学療法を行っていきます。下は約5週間治療後のエコー画像です。上の受傷時に細分化されていたかかとの軟骨が下赤丸の箇所で癒合して治癒しています。
約5週間治療後のエコー画像
シンスプリントとは?
ダッシュやジャンプを繰り返す競技(陸上短距離走、サッカー、バレーボール、バスケットボールなど)に多くみられます。すねの内側の骨や筋肉、筋膜に微細断裂などの損傷が起こり、長期重症化すると疲労骨折を起こすこともあります。
症状
初期症状は運動を開始すると鈍痛がおこりますが、時間の経過とともに痛みが薄れます。その後、重症化すると運動開始とともに痛みが強まり、運動が継続できなくなります。
どんなタイプに多い?
中高生のアスリートに多くみられます。ジャンプ系の競技や陸上競技の短距離走や幅跳び、ハードル走などを掛け持ちしている選手、休みなく練習している長距離ランナーは要注意です。
治療
運動を一時休止して足を休めることが第一です。部活動など練習を休めない場合は運動量を減らし、ストレッチやアイシングなどを行います。同時に筋の柔軟性を高め、患部の炎症を軽減するような理学療法を行っていきます。
ふくらはぎ肉離れとは?
急激なダッシュやジャンプをした際に、ふくらはぎの筋肉や筋膜にバチッとした衝撃があり断裂します。下は60代男性でソフトボール中、ベースを回ったところでバチンとした衝撃と共に強い痛みで走ることが出来なくなりました。赤の囲みは内出血です。
症状
前足部に加重するとふくらはぎの筋が収縮し、痛みが強まります。また、断裂した個所を押すと陥凹を触知することがあります。
どんなタイプに多い?
ふくらはぎの筋肉が硬い人、ストレッチや準備運動をしないで運動を始める人は要注意です。
治療
受傷後は運動を中止し、アイシングと肉ばなれ用のサポーターで固定します。筋肉や筋膜の断裂部両端が早く癒合するよう速やかに理学療法を開始し、1か月前後は日常生活においても安静を保ちます。右下画像は治療5週間後のエコー画像です。赤い囲みの内出血が消失して肉離れが治癒しています。
右ふくらはぎ(ヒラメ筋)断裂のエコー画像
同部位5週後
足の捻挫とは?
スポーツや日常生活中に足関節を捻って受傷します。多くは足を内側に捻って外くるぶしや内くるぶし周辺を痛めます。下のエコー画像は、側溝を掃除中に誤って落ちて負傷しました。矢印方向に黒い筋が入り、(前距腓)靭帯が部分断裂しています。また、白線で囲んだ箇所が左画像の正常側と比較して右画像の白線の面積が広くなっていて、内出血により腫れていることも分かります。
症状
足関節周囲の膜、靭帯、腱などを痛めます。それらの損傷がひどいと内出血が起こり、腫れて加重歩行が困難となります。
どんなタイプに多い?
子供から高齢者まで幅広い年代にみられます。
治療
受傷直後はアイシングを行います。靭帯損傷があると出血によって腫れと痛みが強く出る場合が多いので、早期に腫れの吸収と断裂した靭帯組織の癒合を促進させる理学療法を行います。日常生活では足関節をテーピングやスポーツ用のサポーターで固定し、安静を保持します。
右足関節外くるぶし(正常側)
左足関節(患部)
慢性的な痛み
首の痛みとは?
頭を支える頸部の筋肉のこわばり、緊張が強まると、首、肩、背中のこり、頭重感、頭痛、めまい、吐き気などの不定愁訴が強まってきます。
症状
首、肩、背中の筋肉が硬くなると血流が悪くなり鈍痛を感じます。頸椎が真っ直ぐになるストレートネックになることもあります。そのような症状が長年続くと、頸椎症や神経根症などに移行する場合があります。
どんなタイプに多い?
長時間の立ち仕事や座り仕事をする人に多くみられます。また、スマートフォンを長時間見るなど姿勢が悪く猫背になっている人、運動をあまりされない人は要注意です。
治療
頭を支える頸部の筋肉、肩背中の筋肉の緊張を定期的に緩和させる理学療法を行います。ご自身でも首、肩甲骨の運動やストレッチを積極的に行います。
四十肩・五十肩とは?
肩周囲の筋、腱、靭帯が日常生活やスポーツなどの負担、加齢による変性によって損傷したり、炎症を起こしたりします。下の肩のエコー画像は、棘上筋が変性して、筋肉内に石灰化が認められます。また、棘上筋の付着部の骨の表面が変形し不整になっています。
症状
肩を動かす動作が困難となります。特に高いところに手を伸ばす、体の後ろに手を回すなどの動作をすると痛みます。
どんなタイプに多い?
肩周囲の筋肉が硬く、関節の動きが悪い人に多くみられます。運動不足や長時間同じ姿勢で過ごす人は要注意です。
治療
超音波検査を実施します。痛みがひどく動かすことが困難な時は腕を三角巾で固定したり、体に密着させたりして安静を保ちます。強い痛みが緩和されてきたら、肩周囲の理学療法を行い肩の動きを良くしていきます。
左肩、棘上筋のエコー画像
肘の痛み(上腕骨外側上顆炎)とは?
テニス肘とも言われますが、日常生活でもよく起こる症状です。肘から前腕に負担がかかると、肘の外側から手首にかけての筋肉や筋膜が緊張し、その状態を長期間放置すると炎症が起こります。下の右肘のエコー画像では、筋肉の付着部の変性により骨が出っ張ってきています。
症状
雑巾を絞る、キャップを開ける、物を持つ、指を伸ばすなどをすると痛みが出現します。
どんなタイプに多い?
拭き掃除や食器を洗う仕事、事務やパソコンの入力、テニスやゴルフなどをされる人に多くみられます。
治療
超音波検査を実施します。痛みがひどい時はアイシングを行います。同時に筋肉の緊張を和らげる理学療法を実施します。
右肘、上腕骨外側上顆炎のエコー画像
手首の痛み、手根管症候群とは?
手関節の筋、腱、靭帯、神経が使い過ぎや加齢によって負担がかかり、手首や手指の動作が困難となります。
症状
手関節の上下回旋運動、手指の把握動作によって痛みます。手根管症候群は、手首を通る神経が使い過ぎによって炎症が起こり、しびれや知覚鈍麻、痛みが出現します。下のエコー画像は、左画面の赤丸で囲んだ正中神経が正常側より太くなっています。酷くなると写真のように親指の筋肉が痩せてくることも有ります(白丸の箇所)。
どんなタイプに多い?
手を酷使する仕事や細かな作業をする趣味などを長年されている人に多くみられます。手根管症候群は、ホルモンバランスの乱れによる妊娠出産期や更年期の女性、神経の感受性が高まる糖尿病や甲状腺の病気、長期間の人工透析患者などにもみられます。
治療
手の使い過ぎによる悪化を防ぐため安静に努めます。また、前腕の筋、腱を柔軟にし、神経の負担を軽減させる理学療法を行います。
右手根管症候群エコー画像
左手根管(正常)エコー画像
腱鞘炎、ばね指とは?
仕事や家事により使いすぎて指を屈伸する腱が太くなり、痛みや引っ掛かりが起こります。親指、中指、薬指に多くみられます。下のエコー画像は、左母指の腱鞘炎です。矢印で示している箇所が腱鞘で、患部が正常側よりも太くなっています。親指を強く曲げるとMP関節で引っかかり痛みます。
症状
太くなった腱を触ると固く盛り上がり、強く押すと炎症により痛みます。深く曲げた時、引っかかった指を無理に伸ばそうとすると、急にカクッと伸びることから「ばね指」とも言います。
どんなタイプに多い?
手を酷使する仕事や家事、細かな作業をする趣味などを長期間されている人に多くみられます。
治療
超音波検査を実施します。症状が悪化している場合は、テーピングなどを使って患部の曲げ伸ばしをしない様に努めます。太くなった腱を柔軟にする理学療法を行います。
右長母指屈筋腱(正常)
左患部
腰痛とは?
上半身を支える筋、筋膜が過度な緊張により強く収縮し、筋肉やその周囲の神経を圧迫したり、炎症を起こしたりして痛みが出現します。
症状
日常生活の負担やスポーツなどの疲労が蓄積されると、中腰や同じ姿勢を続けたり、立ったり座ったりする瞬間に痛みます。そのような状態が長期間続くと腰椎が狭くなり、椎間板が神経を圧迫したり神経の通り道が狭められたりして痺れや痛みの増強、知覚の減弱がみられることがあります。
どんなタイプに多い?
長時間の立ち仕事や座り仕事をする人に多くみられます。また、姿勢が悪く猫背になっている人や運動をあまりされない人は要注意です。
治療
腰周囲の筋肉が張って鈍痛がある人は、将来、神経の症状を起こさないように予防しなければなりません。予防にはウォーキングや軽い運動、ストレッチなどが有効です。痛みが慢性化している方は腰周囲を柔軟にする理学療法を定期的に行いましょう。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛は、主に下の原因から起こります。
- ①
- 椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などによる神経圧迫。
- ②
- 腰椎椎間関節、仙腸関節のズレや炎症などによる関連痛。
- ③
- 腰部や臀部、太ももの筋肉のスパズム(痙縮)。
- ④
- 坐骨神経周囲の瘢痕拘縮(硬く縮むこと)。
症状
腰部臀部の筋肉が硬くなり過ぎると長時間の姿勢で鈍痛や下肢への放散痛、痺れなどが出現します。
どんなタイプに多い?
長時間の立ち仕事や座り仕事をする人にみられます。また、姿勢が悪い人や運動をあまりされない人、股関節や周囲の筋肉が硬い人は要注意です。
治療
①では腰の前後屈をして痛みが軽減する動きを確認します。その動きを取り入れた体操を指導し、当院と自宅で体操を実施します。
②では骨盤矯正、③と④では筋肉のスパズムと拘縮を取り除く理学療法を行います。
膝関節症とは?
日常生活の負担や体重増加などが長年影響して、膝の軟骨や半月板が摩耗します。関節周囲に炎症が起き、痛みます。
症状
膝の関節が腫れて熱を感じるときは、水(関節液)が貯留している場合があります。そのような症状がある時は、屈伸運動やいすから立ち上がることが痛みで困難となります。右下のエコー画像は黒く映っている部分に水(関節液)が溜まっています。関節内が圧迫されて、立ち上がる際はかなり痛みを伴います。
どんなタイプに多い?
日頃から仕事や運動でひざに負担が掛かっていても膝のケア(柔軟運動やマッサージなど)をしていない人は要注意です。
治療
超音波検査を実施します。膝の熱が高く炎症がある場合は冷やします。膝の痛みはお風呂で温めると良くなると思われますが、逆効果です。痛みが軽減するまで運動なども中止します。膝周囲の筋肉の柔軟性を高め炎症を軽減させる理学療法を行います。
右膝(正常)エコー画像
左膝(患部)エコー画像
アキレス腱、踵の痛みとは?
歩行や階段昇降などで、アキレス腱や踵に負担がかかると腫れて痛みます。下のエコー画像は左右のアキレス腱が太くなり炎症を起こしています(赤線内側の青やオレンジ色の点は炎症反応を示しています)。
症状
アキレス腱や踵をつまんだり押したりすると痛みます。つま先立ちやランニングなどで痛みが増強します。
どんなタイプに多い?
ウォーキングや山歩き、ランニングなどの運動が過度になっている人に多くみられます。また、膝や足首が硬く、ふくらはぎの筋肉が硬い人は要注意です。
治療
超音波検査を実施します。痛みが強い時は、運動を一時休止します。同時に筋や柔軟性を高めるストレッチや理学療法を行います。
右アキレス腱炎のエコー画像
左アキレス腱炎のエコー画像
足裏の痛み、足底腱膜炎とは?
足の裏には、膜のように薄く幅広い腱が、かかとの骨から足指の付け根まで張っています。足の土踏まずは、弓状(アーチ)になり、アーチを弓の弦のようにピンと張って支えているのが足底腱膜です。足底腱膜はウォーキングやランニングなどの運動、四十歳代以降になると加齢により、古いゴム管にひびが入るように変性が起こります。それが痛みの原因となり足裏全体が疲れやすく、長時間の立ち仕事やウォーキング、マラソンなどで鈍痛が出現します。
症状
足に加重すると疲れやすく、足裏を押すと硬く痛みがあります。 どんなタイプに多い? ウォーキングや山歩き、ランニングなどの運動を日課にしている人や革靴で歩行するサラリーマン、立ち仕事のパート女性などに多くみられます。また、ふくらはぎの筋肉や足の関節、足底腱膜が硬くなっている人、つま先歩きやペタペタ音を鳴らして歩く人は要注意です。
治療
下は男性会社員のエコー画像ですが、右の足底腱膜が正常側に比べて肥厚しています。長年の立ち仕事でかかとの痛みが長期間続いています。日常生活では衝撃を和らげるサポーターの装着やアイシングなどを行います。同時に患部の炎症を軽減するような理学療法を行っていきます。
右足底(患部)
左同部位(正常側)
患部レントゲン画像
(足底腱膜炎と骨棘)